上田市のV様より建物修繕のご依頼をいただき、その足場工事を担当した現場の記録です。 建物の修繕は、屋根や外壁に職人が安全に手を伸ばせる状態を作るところから始まります。その最初の一歩を支えるのが足場です。修繕という工事だからこそ求められる足場の考え方と、私たちが上田市の現場で何を大切にしたのかをお伝えします。


上田市の建物修繕現場で足場を組みました
今回の現場は、経年で傷んだ外壁や付帯部分を直していく建物修繕の工事でした。修繕工事では、塗装職人や大工、板金職人といった後工程の職人が建物のあらゆる高さで作業します。その全員が安全に、そして作業しやすい姿勢で手を動かせるかどうかは、最初に組む足場で決まってしまいます。
足場は「上に登るためのもの」と思われがちですが、修繕現場での役割はそれだけではありません。作業員が転落しないための安全設備であり、工具や資材を安全に置くための作業床であり、塗料や破片を敷地の外へ飛ばさないための養生の土台でもあります。上田市のこの現場でも、建物の形状と修繕する箇所を一つずつ確認しながら、どこにどの高さで作業床を設けるかを組む前に決めていきました。
足場工事は、部材を運び込んで組み始める前の「段取り」で仕上がりの大半が決まります。現場に着いたらまず建物の全周をまわり、どこに支柱を立てられるか、地面は水平か、隣地との境界はどこか、資材はどこから搬入するかを目で確かめます。図面だけでは分からない現場の事情は必ずあるため、この事前確認を省くことはできません。上田市の現場でも、建物と敷地の条件をていねいに読み取ったうえで、組立の計画を固めてから作業に入りました。
修繕工事の足場は「建物に合わせる」ことがすべて
新築工事の足場は、これから建てる建物の設計図に合わせて計画できます。一方で、建物修繕の足場は、すでに建っている建物とその周囲の条件に合わせて組まなければなりません。建物の出っ張りや窓、隣地との距離、電線の位置、駐車スペースまで、現場ごとに事情がまったく違います。だからこそ修繕の足場は、決まった型にはめるのではなく、その建物のためだけに設計する意識が欠かせません。
上田市の現場では、修繕する外壁の面に対して職人が正しい距離で作業できるよう、作業床の位置を調整しました。壁に近すぎればローラーや刷毛が振れず、遠すぎれば身を乗り出すことになって危険です。この「ちょうどよい距離」を全ての面でそろえることが、修繕足場の腕の見せどころだと考えています。新築と修繕で足場に求められることの違いを、下の表にまとめました。
| 比較の観点 | 新築工事の足場 | 建物修繕の足場 |
|---|---|---|
| 計画の基準 | 設計図に合わせて計画できる | 既存の建物と周囲の条件に合わせる |
| 周囲の状況 | 敷地に比較的余裕があることが多い | 住まいや隣地との距離が近く制約が多い |
| 重視される点 | 作業効率と工程全体の速さ | 既存建物を傷めない配慮と養生 |
| 後工程 | 組立から仕上げまで工程が明確 | 塗装・板金など多職種が同じ足場を使う |
上田市の現場で徹底した3つのこと
1. 組み立てる人自身の安全を先に確保する
足場工事で最も危険なのは、実は足場そのものがまだ完成していない「組立」と「解体」の作業です。建設業の労働災害では、墜落・転落が長年もっとも多い原因となっています(※要出典・厚生労働省 労働災害発生状況)。だからこそ私たちは、作業員が上に乗る前に手すりを先行して設置する考え方を大切にしています。常に外側を手すりで囲まれた状態を保つことで、組み立てている職人自身の墜落のリスクを抑えられます。足場は「使う人」だけでなく「組む人」も守るものでなければなりません。
一定の高さ以上の足場を組む作業には、足場の組立て等作業主任者などの資格を持った者が指揮を執ることが求められます。誰か一人が経験と勘で進めるのではなく、有資格者が全体を見て、部材の緊結や手すり・幅木の設置に抜けがないかを確認しながら進めます。安全は個人の注意だけに頼るものではなく、正しい手順と役割分担で守るものだと考えています。
2. 建物と近隣への配慮を欠かさない
修繕工事は、多くの場合まだ人が使っている建物で行われます。足場の部材が既存の壁や設備に当たれば、直すために来たはずが新たな傷をつけてしまいます。単管パイプの当たる箇所には養生材を入れ、資材の搬入・搬出の動線も近隣に迷惑がかからないよう配慮しました。塗装や補修で出る破片・塗料が敷地の外へ飛ばないよう、飛散防止のネットや壁を足場と一体で計画することも、修繕現場では欠かせない仕事です。
3. 後工程の職人が動きやすい足場にする
私たちが組んだ足場の上で、実際に修繕作業をするのは塗装や板金の職人です。彼らが無理な姿勢を取らず、資材を安全に置いて作業に集中できる足場こそが「良い足場」だと考えています。作業床の高さ、幅、昇り降りの階段の位置まで、後工程の職人の動きを想像しながら組み上げました。足場工事は自分たちだけで完結する仕事ではなく、現場に関わる全員のための土台づくりです。
4. 組み立てて終わりにしない
足場は組み立てたら完成、ではありません。作業を始める前や悪天候のあとには、部材のゆるみや変形、手すりの外れがないかを点検し、使い続けられる状態を保つことが大切です。修繕工事は数日から数週間にわたることもあり、その間ずっと職人の命を預かるのが足場です。上田市の現場でも、組み上げたあとの状態確認まで含めて自分たちの仕事だという意識で臨みました。
建物修繕に使う足場工法の選び方
足場にはくさび式・枠組み(ビティ)・単管・手すり先行・移動式(ローリングタワー)など複数の工法があり、建物の高さや形状、修繕する範囲によって適した工法が変わります。修繕工事では、短期間で安全に設置でき、狭い場所にも対応しやすい工法が選ばれることが多くあります。たとえば住宅まわりの限られたスペースでは単管を使った柔軟な組み方が役立ち、しっかりした作業床が必要な面では強度と安定性に優れた工法を選ぶ、といった具合に、一つの建物でも場所によって工法を組み合わせることがあります。上田市の現場でも、建物の条件に合わせて最適な組み方を選びました。
それぞれの工法の特徴やメリット・デメリットは、足場工事5工法を徹底比較した記事で詳しくまとめています。あわせて、弊社が対応している足場工事の内容は業務内容のページをご覧ください。他の施工事例は施工実績の一覧からご確認いただけます。
足場は建物修繕の仕上がりを左右する
建物修繕の仕上がりを決めるのは塗装や補修の技術ですが、その技術を最大限に発揮できるかどうかは足場にかかっています。ぐらつかず、必要な場所にきちんと作業床があり、職人が安心して手を動かせる足場があってこそ、丁寧な修繕が実現します。表からは見えにくい工程ですが、足場は建物修繕の質を静かに支える「土台」です。
私たちは普段、鉄骨建方工事で重い鋼材を高所で正確に扱う仕事をしています。高い場所で安全に作業する感覚や、部材を確実に緊結する技術は、足場工事にもそのまま活きています。鉄骨鳶として培った「高所での安全」への意識があるからこそ、修繕現場でも安心して任せていただける足場を組めると考えています。
株式会社町田興業は長野県中野市を拠点に、上田市をはじめ長野県内各地で足場工事・鉄骨建方工事・鉄骨鍛冶工事・プレハブ建方工事を手がけています。今回の上田市V様の建物修繕のように、一つひとつの現場に合わせて安全で使いやすい足場を組むことを、これからも大切にしていきます。建物修繕や各種工事で足場をお考えの際は、お気軽にご相談ください。
足場工事・鉄骨工事の現場で一緒に働きませんか?
株式会社町田興業では、鉄骨鳶として活躍してくれる新しい仲間を募集しています。未経験の方も、有資格者が基礎から丁寧に指導します。資格取得支援制度などのサポートも整えていますので、20〜40代で建設の仕事に挑戦してみたい方は、まずはお気軽にご連絡ください。



