現代建築において、鉄骨構造は多くの建物で採用されている重要な構造形式です。しかし、鉄骨がどのような工程で組み立てられているかを知る機会は意外と少ないものです。長野県で鉄骨鳶を専門とする株式会社町田興業が、鉄骨工事の詳しい工程について解説します。

鉄骨工事とは

鉄骨工事とは、建物の骨組みとなる鉄骨構造を組み立てる工事です。工場で加工された鉄骨部材を現場に運び、設計図に従って正確に組み立てていきます。この工事を担当する専門職人が「鉄骨鳶（てっこつとび）」と呼ばれています。

事前準備段階

1. 図面確認と施工計画

工事開始前に、構造図面を詳細に確認し、施工計画を立案します。どの順序で鉄骨を組み立てるか、クレーンの配置はどうするか、安全対策はどうするかなど、綿密な計画が必要です。

2. 現場準備

基礎工事完了後、鉄骨組み立てのための準備を行います。アンカーボルトの位置確認、レベル調整、作業用足場の設置などが含まれます。

3. 材料搬入・検査

工場から鉄骨部材が搬入されます。部材の寸法、品質、数量を確認し、図面と照合します。損傷がないかも入念にチェックします。

鉄骨組み立て工程

第1段階：柱の建込み

鉄骨工事の最初の工程は柱の建込みです。

1. 柱の位置出し 基礎に設置されたアンカーボルトに合わせて、柱を正確な位置に設置します。この精度が全体の品質を左右するため、ミリ単位での調整が必要です。

2. 柱の建込み クレーンを使って柱を垂直に立てます。複数の作業員が連携して、柱が倒れないよう支える「建込み」作業を行います。

3. 柱の固定 柱がアンカーボルトにしっかりと固定されているかを確認し、垂直度を調整します。

第2段階：大梁の取付け

柱が立った後、大梁（主要な横架材）を取り付けます。

1. 梁の揚重 クレーンで梁を持ち上げ、所定の位置まで運びます。この時、梁の向きや高さを正確に調整する必要があります。

2. 梁の接合 柱と梁の接合部分で、ボルト接合または溶接接合を行います。接合部の品質は構造全体の強度に直結するため、高い技術が要求されます。

3. 水平度の確認 梁が水平に設置されているかを確認し、必要に応じて調整します。

第3段階：小梁・ブレースの取付け

建物の安定性を高めるため、小梁やブレース（筋交い）を取り付けます。

1. 小梁の設置 大梁間に小梁を渡し、床構造の下地を作ります。この工程では、多数の小梁を効率的に設置する技術が重要です。

2. ブレースの取付け 建物の水平力（地震や風圧）に対抗するため、ブレースを取り付けます。建物の耐震性能に直結する重要な工程です。

第4段階：上層階への展開

1階部分が完成したら、同様の工程を上層階でも繰り返します。

1. 階段の設置 作業員が安全に上層階に移動できるよう、仮設階段を設置します。

2. 各階の柱・梁組み立て 1階と同様の工程で、各階の柱・梁を組み立てていきます。建物が高くなるにつれて、より慎重な作業が要求されます。

仕上げ工程

1. 最終調整

全ての鉄骨部材が組み立てられた後、建物全体の精度を確認し、必要に応じて調整を行います。

2. 溶接仕上げ

現場での溶接箇所がある場合は、溶接作業を行います。品質確保のため、有資格者による作業が必要です。

3. 防錆処理

鉄骨の防錆処理を行います。プライマー塗装などにより、鉄骨の耐久性を確保します。

品質管理と検査

1. 寸法精度の確認

各工程で寸法精度を確認し、基準値内に収まっているかをチェックします。

2. 接合部の検査

ボルト接合部の締付けトルクや溶接部の品質を検査します。

3. 全体検査

工事完了後、建物全体の垂直度、水平度、寸法精度を総合的に検査します。

安全管理の重要性

鉄骨工事は高所作業が多く、重量物を扱うため、安全管理が極めて重要です。

1. 足場の設置

作業員が安全に作業できるよう、適切な足場を設置します。

2. 安全帯の使用

高所作業では必ず安全帯を使用し、墜落防止を徹底します。

3. クレーン作業の安全確保

クレーン作業では、合図者との連携を密にし、周囲の安全を確保します。

季節・天候への対応

1. 雨天時の対応

雨天時は滑りやすくなるため、作業を中止することがあります。安全第一で判断します。

2. 強風時の対応

強風時はクレーン作業が危険になるため、風速を常に監視し、適切な判断を行います。

3. 冬期の対応

長野県では冬期の作業が多いため、凍結対策や防寒対策を講じながら作業を進めます。

技術革新と効率化

1. BIMの活用

Building Information Modeling（BIM）を活用し、3次元での施工計画を立てることで、効率的な施工が可能になっています。

2. プレハブ化の進展

工場での事前加工度を高めることで、現場作業の効率化と品質向上を図っています。

3. 新工法の採用

新しい接合工法や組み立て方法を採用し、工期短縮と品質向上を実現しています。

株式会社町田興業の取り組み

当社では、長野県内の多様な建設現場で培った経験と技術を活かし、以下の点に注力しています。

• 熟練職人による高品質な施工
• 最新の安全管理体制
• 効率的な工程管理
• 地域特性を考慮した施工計画

まとめ

鉄骨工事は、建物の骨組みを作る重要な工事です。各工程での精密な作業と高い技術力が、建物の品質と安全性を決定します。株式会社町田興業では、豊富な経験を持つ鉄骨鳶職人が、責任を持って皆様の建設プロジェクトをサポートいたします。

鉄骨工事に関するご相談やお見積りは、お気軽にお問い合わせください。長野県内での実績豊富な当社が、最適な施工計画をご提案いたします。